『街とその不確かな壁』（村上春樹著）の感想・考察

2023.12.29投稿

村上春樹さんの『街とその不確かな壁』を買って読んでみましたので、感想や考察を書いてみました。

最後まで読んでいただけたら、嬉しいです。

『街とその不確かな壁』村上春樹著について

2023年4月に発売された、村上春樹の最新作『街とその不確かな壁』。前作の『羊をめぐる冒険』から約10年ぶりとなる中編小説です。

本作は、ある男が、姿を消した彼女から語られていた「高い壁に囲まれた街」を夢見るところから始まります。男は、その街で彼女と再会し、静かな日常を送りますが、やがて現実世界に戻ってきます。

『街とその不確かな壁』のおすすめ要素は、以下のとおりです。

村上ワールドの魅力が存分に詰まった作品
村上春樹の小説には、独特の世界観や魅力的なキャラクター、そして、思わず考えさせられるようなストーリーが特徴です。本作も、その魅力が存分に詰まった作品となっています。

「現実」と「夢」の境界を描いた、奥深い物語
本作は、「現実」と「夢」の境界を描いた作品です。男は、現実世界では彼女と別れたままですが、夢の世界では彼女と再会し、幸せな時間を過ごします。この「現実」と「夢」の境界は、読者の想像力を掻き立て、さまざまな解釈が可能です。

村上春樹らしさを感じさせる、美しい文章
村上春樹は、美しい文章で知られています。本作も、村上春樹らしい、美しい文章が随所にちりばめられています。特に、男が夢の世界で過ごすシーンは、まるで詩のような美しさを感じさせます。

私は、本作をとても面白く読みました。村上ワールドの魅力が存分に詰まった、奥深い物語に引き込まれました。

特に、男が夢の世界で過ごすシーンは、とても印象的でした。男は、夢の世界で、彼女と共に、穏やかで幸せな時間を過ごします。しかし、その幸せな時間は、いつしか終わりを迎えます。男は、現実世界に戻り、彼女と別れたままの現実を受け入れなければなりません。

このシーンは、現実と夢の境界を描いた作品のテーマを象徴するものであるように思います。現実は、必ずしも幸せなものではありません。しかし、夢の世界で過ごす時間は、現実の辛さや苦しみを忘れさせてくれます。

本作は、現実と夢の境界について、考えさせられる作品です。また、村上春樹の美しい文章を堪能できる作品でもあります。村上春樹ファンはもちろん、そうでない方にも、ぜひおすすめしたい作品です。

本作は、以下のような読者におすすめです。